夫が自己破産した理由はカードローン破綻です。
端的に言えば浪費「買い物」による借金です。
ただ買い物依存症とは違い、厳密にいうとコレクターマニアです。
その収集にかかる購入額がすべてカード借金と膨れ上がりました。
自己破産した理由(わけ)
出会った当時の夫は、月々10万円以上ものお金を返済していました。
その頃、私は私でインターネット通販でコスメ等のいわゆる女性の美用関係の消耗品を購入することに楽しさを覚え、頻繁にカードでショッピングをしていました。
当時は私自身もカードショッピングを楽しんでもいましたので、夫の返済額と収集ぶりには眉をひそめる部分はありましたが、私の消耗品のショッピングよりは「物が残る」ミニカー収集は、将来高値で転売できる可能性もあり、同じ返済ならば悪くはないと思っていました。
思えば、身の丈に合わない浪費として、この頃から「借金夫婦」としての地ならしはできていたと振り返ることができますが、当時は二人とも仕事をしていて安定した収入がありましたので、いずれ完済できるものと考えていました。
ですので私たち夫婦の場合は、このカードショッピングだけであれば、借金を自己破産するまでには至ることはなかったと思います。
複数の理由が重なって自己破産に至りました。
借金のはじまりはカードローンによる浪費です。
全自己破産件数の理由(原因)の割合を見ても分かる通り、2.9%と少ない部類です。
出典引用:金融庁 自己破産
まして共働きで収入を得ていましたから、月々10万円~13万円の返済も、苦しいながらも危機感を抱きながら改善に向けて何とかやり繰りしていました。
また夫は、高額な収集を控えるようになり、売り時のタイミングがきたら泣く泣く転売をし借金返済に充てたりと、借金を減らす努力をし順調に解決に向かっていました。
自己破産の経験者なら分かると思うのですが・・・
借金返済が滞り、支払いの督促電話が頻繁にかかってくるようになり、いわゆる借金苦で自己破産を選択する人も「督促電話が苦痛という生活苦」と思うのです。
或いは知人友人の連帯保証人となり借金を肩代わりさせられたとしても、そのぶん自分の生活が立ち行かなくなるわけですから、生活苦ゆえに自己破産という理由が成り立つと思います。
つまり、債務者は単純にひとつの理由(原因)だけで借金返済を投げ出して自己破産はせず、予期しないアクシデントや想定外のハプニングが重なり、最終的には生活苦として、債務整理の手段として自己破産を選択すると思います。
実は減っていない多重債務者。
出典引用:総務省 統計局
平成15年をピークに自己破産件数が減少し始めたのは、この年に創設された認定司法書士制度が関係していると思われます。
認定司法書士は、通常の司法書士業務に加えて、請求額が140万円までの簡易裁判所が管轄する民事事件の代理を行なえます。
その結果、多重債務者が借金相談をする敷居が低くなった影響もあり、自己破産を回避して任意整理等の他の債務整理で救われたため、破産件数が減少していると思われます。
ふたり誰にも相談できず・・・
夫の自己破産の後に、私もその認定司法書士の先生により任意整理という形で債務整理をしました。
そんな夫の自己破産も複数2つの理由が重なりました。
1つ目は、夫が会社から解雇されたことです。
夫は、実母の在宅介護を2年近くしていましたので、どうしても勤務先での勤怠が悪くなってしまい、現在社会のようにサラリーマンの介護に対して寛容な風潮もなく、またそのような大企業に勤めているわけではありませんでしたので、多少の温情で大目に見てもらえていたようですが、介護に突然の早退、欠勤は付きものですから、会社側としても業を煮やしてのことだったと思います。
これは自己破産の理由の割合で見ますと、3番目に多い「失業・転職」で約6%に該当します。
2つ目は、その失業中に長期病気を患ってしまったことです。
介護疲れの心労もあったことと思いますが、失業中に病気を患い長期間に渡り再就職が困難な状況になりました。
同時に私も持病が悪化し、あろうことか夫婦で多額の借金返済を抱えたまま長期療養による無職・無収入期間が続きました。
「病気・医療費」は、自己破産の理由のの割合が8.5%で第2位、給与の減少は4番目に多い3.5%にあたります。
つまり、自己破産する最も割合が上位な理由が重なったのです。
「病気・医療費」「失業・転職」「給与の減少」が重なり、この平成の時代に食べるものさえ困るという、どん底の貧困生活で借金どころではない生活苦に追い込まれて返済できない状況になりました。
この時の自己破産までの経緯と、これ以前のお金の失敗を振り返り「人生、先のことなんて何が起きるか分からない」と、嫌なほど思わされました。
その体験や教訓を生かせず、なし崩しに生活している「失敗を踏みとどまれない」「何も変わっていない」ということが今の一番の後悔です。