今日は夫の、「警察に勾留される理由はないので釈放してください」という勾留理由開示という裁判でした。
詳しくは弁護士さん任せで分からないのですが、逮捕後はじめて夫に会える、もしかするとその場で釈放される可能性もあるということで、少しでも時給を稼がなくてはならないのですが、パートは代休とさせていただき裁判所に行きました。
裁判所自体はじめて行くところで、事の重大さを改めて実感しました。
もし被害者の方も傍聴に来てたらどうしようか?という不安等、色々な感情が入り混ざりながら弁護士さんに知らされていた法廷にたどり着きました。
法廷で久しぶりに見た夫の姿、ショックでした。
法廷で待つこと数十分。
傍聴席には私ひとり、正面に裁判官がいて右のほうに弁護士さんが座ってました。
あらかじめ弁護士さんから「ご主人は手錠されて法廷に入ってきますのでショックを受けないよう」にと、言われていました。
ですのでその覚悟をもって、法廷に入ってくる夫を待ちました。
扉が開いて夫が入って来ました。
その姿はショックでした。
確かに手錠をはめられた夫でしたが、それはある程度イメージできていたのですが、両脇に屈強な警察?の人に囲まれているかのように入ってきました。
そこには警察の「絶対逃がさない」という意思を感じました。
何よりショックだったのが、その二人の護衛のような人が腰縄で夫を縛っている姿でした。
手錠され護衛2人に挟まれ腰縄までされて、夫の姿は裁かれるべき「犯罪容疑者」という物に映りました。
ショックというより動揺しました。
夫とは、話すことも近づくこともできませんでした。
裁判は何かを読み上げられて、ものの15分ぐらいで終わりました。
その間、そこに座っている夫に近づくこともできず、会話もできませんでした。
ただそこに座っている夫と視線が合いました。
夫は頷くだけでした。
私も頷きました。
判決のようなものが言い渡されるのかと思っていましたが、よく分からないうちに「その場で釈放」という淡い期待もむなしく、あっという間に終わりました。
夫がまた護衛に連れていかれる時、傍聴席の私よりのほうを歩いてくれて、すぐ近くまで来てくれ「心配するな、体調大丈夫か?」と声をかけてくれました。
逮捕後およそ10日、はじめて聞いた久しぶりの夫の声でしたが、咄嗟のことで「大丈夫」と返事する間もなく頷くことしかできず、夫は護衛2人に会話を制止されるかのように連れていかれました。
そのまま座り込んでしまいました。
弁護士さんが私の席まで来てくださり、夫の現状と今後の説明をしてくれました。
動揺を隠せないまま「11月30日が勾留期限、面会は12月1日」という言葉だけ残り、そのまま誰もいない法廷で座り込んでしまいました。

夫の残像と視線が合った時の顔が思い浮かび、それらに法廷の静寂が四方八方から押し潰されるかのような圧力も感じました。
よく日本の裁判は99.9%の有罪率と聞きますが、その0.01%への一縷の思いをかき消された気がしました。
この先は、今まで夫婦で経験した借金や(新型)貧困生活の、どんな時より辛いことが待ち受けてると、心に暗雲ばかりが立ち込み呆然とするばかりでした。
気がつくと握っていたハンカチが濡れて、いつのまにか膝に涙がこぼれそうでした。